「営業に向いていない」と思い始めたとき、まだ「今の仕事を辞める」と決める前に、見直してみることがあります。
岩田は、才能を疑う前に見直せることがある、と考えています。ただし同時に、営業に向いていない人も、正直いると考えています。両方を、自分の経験とあわせて書きます。
営業は、確率の低い仕事
営業は、やれば必ず決まる仕事ではありません。確率の低い仕事です。
だから、伸びる人は、行動量をやって、改善していける人です。口が達者かどうかではありません。
岩田自身も、口下手でした。しかも、最初は、正しい方向に動かせていませんでした。でも、これは「営業に向いていない」ことを意味しなかったと、今は思います。
口下手とは、どう向き合ったのか。岩田は、自分が話すことよりも、聞くことのほうが大事だと分かった、と言います。正しい方向とは、うまく話す方向ではなく、相手の話を聞く方向だった、ということです。
「向いていない」を、二つに分けて見る
「向いていない」と感じる原因は、多くの場合、次の2つに分けられます。
| 見直す点 | 問い | 変えるところ |
|---|---|---|
| ① 行動量 | やるべき量を、本当に積めているか | 量を決めて、積む |
| ② 方向 | 積んだ行動を振り返り、改善しているか | うまくいった・いかなかった行動を分けて、次に活かす |
この二つは、順番があります。まず、行動量です。 量が足りないと、方向を改善する材料も集まりません。
これは、しんどい話です。岩田自身、キーエンスで一番きつかったのは行動量でした。
岩田がやった、200分の電話
岩田は、日々、水準にぶつかるかぶつからないかの、ぎりぎりのところでした。しかも、言われた通りにやらずに失敗しました。
そこで、「一回、200分電話してみろ」と言われ、これを3日連続でやりました。本当によかったと思っています。
200分とは、どのくらいの量か。ちゃんと電話すると、1件あたりおよそ2分かかります。つまり、100件で200分のイメージです。新人のころは、新規開拓で「200分電話してみろ」と言われることが多かったそうです。
| やったこと | その後に、変わったこと |
|---|---|
| 200分、電話をする。これを3日連続でやる | 仕事のスピードが速くなった。マネジメントになっても、自分のボリュームが落ちなかった |
行動量をやり切った経験は、その場だけで終わりませんでした。この経験が、あとの仕事の速さと、マネジメントになってからの自分のボリュームにつながったと、岩田は感じています。
それでも、向いていない人はいる
岩田は、営業に向いていない人も、正直いると思っています。営業は、精神的なプレッシャーも大きい仕事です。そうしたものをあまり求めない人にとっては、厳しい環境です。
行動量と方向を見直しても、しんどさがほとんど変わらないときは、営業という仕事そのものが合っていない可能性があります。その場合は、ほかの職種を考えるのも、一つの選択です。
辞める前に、確かめる3つのこと
「向いていない」と思ったとき、転職や退職の前に、次の3つを確かめてください。
- やるべき行動の量を、数字で記録していますか。 感覚ではなく、件数や時間で見る。記録がないと、「足りない」のか「方向が違う」のか分かりません。
- うまくいった行動と、いかなかった行動を、振り返っていますか。 一人で振り返るのが難しいときは、上司や先輩に相談できる場があるか。(相談の場の例はキーエンスの外報)
- 今の会社で、行動量を評価してくれますか。 行動を見てくれない会社では、積んだことが報われません。その場合は、「向いていない」ではなく「環境が合っていない」可能性があります。
このうち、どれかが「いいえ」だったときは、辞める前に、誰かに話してみる価値があります。
注意:心身の不調があるときは、別の話
この記事は、「行動量を積めば解決する」という話をしています。ただし、睡眠や食欲に影響が出るなど、心身の不調があるときは、無理に仕事を続けて行動量を積む話ではありません。先に休息を取り、医療機関や職場の相談窓口に相談してください。
まとめ
- 「向いていない」と思ったら、才能を疑う前に、行動量と「方向」を見直す
- 営業は確率の低い仕事。伸びるのは、行動量をやって改善していける人
- 岩田自身も口下手で、最初は正しい方向に動かせていなかった
- 200分(約100件)の電話を3日連続でやった経験が、スピードとマネジメントのボリュームにつながった
- それでも、プレッシャーの大きい営業に向いていない人は、正直いる。その場合は、ほかの職種を考えるのも選択
- 辞める前に、行動の記録・振り返り・行動量を評価する環境かを確かめる
補足:この記事は、岩田圭弘の経験と考えに基づきます。統計や企業の数字は扱いません。
