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KPI設計・フレーム2026-09-16

OKRとは?目標管理フレームワークの意味とKey Resultsの書き方

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「今期はOKRでいきます」と言われた新任マネージャーが、次に聞くのはだいたい同じ質問だ。「で、何%取れば良い評価になるんですか」。

答えは、その質問の前提から間違っている。OKRは評価のための数字ではない。チームの熱量を上げるための目標の型だ。

OKRとは

OKR(Objectives and Key Results)は、「目指す姿(Objective)」と「そこに近づいたと言える数値(Key Results)」をセットで管理する目標設定のフレームワークだ。原型は1970年代、インテルの元CEOアンディ・グローブが自著『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』で示した目標管理の考え方にある。それをインテル出身の投資家ジョン・ドーアが1999年、創業間もないグーグルに持ち込んだことで、シリコンバレー発の目標管理手法として世界に広まった。

Objectiveは1つ、Key Resultsは3〜5個
Objectiveは1つ、Key Resultsは3〜5個
  • Objective:定性的で、野心的な「目指す姿」。数字である必要はない。
  • Key Results:Objectiveに近づいたことを示す、測定可能な数値目標。1つのObjectiveに対して3〜5個。

例えば「日本を代表する営業チームになる」がObjectiveなら、「売上¥120M/Q」「エンタープライズ受注20件/Q」「営業人員15名体制」がKey Resultsになる。

部門別の具体例

OKRは部門ごとに設計する。共通するのは「Objectiveは抽象的な一文、Key Resultsは数値」という構造だけだ。

部門ObjectiveKey Resultsの例
マーケティング問い合わせが止まらないパイプラインを作る新規MQL数 月300件、MQL→SQL転換率30%以上
人事入ってよかったと全員が言える会社になる採用充足率100%、早期離職率10%以下
開発リリースを恐れないチームになるデプロイ頻度 月20回、バグエスケープ率0.5%以下

どの部門も、Objectiveは数値を入れずに、Key Resultsで初めて数値化するという型を守っている。

良いObjective・良いKey Resultsの条件

Objectiveは「数字」ではなく「人を動かす言葉」で書く。KGIの数値目標をそのままObjectiveに置いてしまう失敗が最も多い。

弱いObjective強いObjective
営業売上を前年比120%にする日本を代表する営業チームになる
CS解約率を下げる顧客が「他社に紹介したい」と言うサービスになる

弱い例は、実はKey Resultsの粒度だ。Objectiveは覚えやすく、チームの誰が読んでも「それを目指したい」と思える一文にする。

Key Resultsは逆に、測定可能であることが絶対条件になる。「顧客満足度を高める」はKey Resultsとして機能しない。「NPSを+20ポイント改善する」のように、期末に達成したかどうかを誰が見ても判定できる数字まで具体化する。

OKRの運用サイクル

OKRは四半期を基本単位に、次の4ステップで回す。

  1. Week1:設定・公開 ObjectiveとKey Resultsを決め、全社に公開する。誰のOKRも見える状態にする。
  2. 週次:チェックイン 各Key Resultsの進捗を0.0〜1.0のスコアで更新する。ここで初めて「今どのくらい進んでいるか」が数字で見える。
  3. 期中:テコ入れ スコアが低いKey Resultsがあれば打ち手を議論する。目標自体は変えないのが原則。
  4. 期末:振り返り スコアを確認し、次の四半期のOKRに反映する。
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達成目安は60~70%

OKRの最大の特徴は、達成率100%を目指さないことだ。目安は60~70%。この水準はGoogle自身が社内運用で公表している目安でもある。常に100%を超えているなら目標が低すぎるサインであり、逆に60%を大きく割り込む状態が続くなら目標設定か実行に問題がある。

この「70%でよい」という前提があるから、チームは失敗を恐れず野心的な数字を掲げられる。裏を返せば、OKRを評価・賞与に直結させた瞬間、この前提は崩れる。達成しやすい低い目標を掲げる方が得になるからだ。OKRは評価制度ではなく、目標に向かう熱量を作るための道具だと捉えておく必要がある。

OKR・KPI・MBOとの違い

OKRはよく「KPIと何が違うのか」と聞かれるが、両者は比較する対象ではない。OKRは目標を立てる「器」、KPIはその器の中身を測る「物差し」だ。OKRを使っていても、Key Resultsの進捗を追うKPIは必ず必要になる。

また、目標管理の枠組みとしてはMBO(Management by Objectives)という選択肢もある。OKRが「野心的な目標で牽引する」ものだとすれば、MBOは「達成度を評価・処遇に連動させる」ものだ。フェーズによってどちらを選ぶべきかは変わる。この使い分けと、OKRが崩れる典型パターン(達成率低さの放置・Key Results過多・評価連動)はOKR・MBO・KPIの違い早わかり表で詳しく解説している。

よくある質問

Q1. OKRはいくつ立てるべきですか?

A. Objectiveは1〜3個、それぞれに紐づくKey Resultsは3〜5個が目安。増やすほど「今どれが最優先か」が見えなくなる。

Q2. Key Resultsが未達だったら評価は下がりますか?

A. 下げるべきではない。OKRを評価に連動させた瞬間、挑戦的な目標を立てる文化が壊れる。評価に使うならMBO側の結果KPIで行う。

Q3. OKRと普通の「目標」は何が違うのですか?

A. 普通の目標は1つの数字で終わるが、OKRは「目指す姿(Objective)」と「複数の測る数字(Key Results)」を分けて設計する点が違う。Objectiveが北極星、Key Resultsがそこへ向かう複数の航路になる。

まとめ

OKRは「Objective(目指す姿)× Key Results(測る数字)」で目標を管理するフレームワークで、達成目安は60~70%。100%を求めた瞬間にOKRはOKRでなくなる。評価に使わず、挑戦を後押しする道具として運用することが、機能させるための唯一の条件だ。


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