← KPIナレッジ一覧に戻る
KPI設計・フレーム2026-08-27

ロジックツリーのテンプレート|エクセル・スプレッドシート・パワポでの作り方

KPIツリー設計 完全ガイド 表紙

Free Download

KPIツリー設計 完全ガイド

KGIから面談件数・展開率・獲得率まで分解し、中間KPIとKDIを設定するKPIツリー設計の実践ガイドです。

資料をダウンロードする

Newsletter

KPI・グロース戦略の知見を定期配信

無料で登録する →

ロジックツリーを作ろうとして、最初に検索するのが「どのツールで作るか」だとしたら、順番が逆になっている。

きれいな図は、会議ではうける。だが翼週の現場を変えるのは図の見た目ではなく、切り口と、そこに入っている数字だ。しかもツリーは一度描いて終わりではなく、毎週数字を入れ替えて使うものである。この二つを考えると、実務ではエクセルかスプレッドシートが最も強い。

本記事では、エクセル・スプレッドシート・パワポそれぞれでの作り方と向き不向き、そのままコピペできるテンプレート、そして数式でボトルネックを自動的に浮かび上がらせる方法までを扱う。

ロジックツリーの定義や分解の考え方はロジックツリーとは?4種類の使い分け・作り方・テンプレートにまとめている。


ツールを選ぶ前に決めること

どのツールでも、次の3つが決まっていなければ同じだけ無駄になる。

  1. 頂点の問いを一文で書けているか(「今期の受注件数が30件足りない」のように数字入りで)
  2. 切り口を複数並べて選んだか
  3. 各枝に入れる数字が取得できる

とくに3つ目が重要だ。図を描いてから「この指標、実は測っていなかった」と気づくのでは遅い。先に手元のデータを確認してから切り口を決めると、手戻りが減る。


エクセル・スプレッドシートで作る

作図ツールで描くと「綺麗だが更新されない図」になりやすい。表計算ソフトを推すのは、数字を入れた瞬間に差分が自動で出るからだ。

基本の列構造

階層を横に、指標を縦に並べる。

A列B列C列D列E列F列
階層1階層2現状値目標値達成率
既存案件既存案件数120140-2086%
既存案件の獲得率52%65%-13pt80%
新規案件面談数210200+10105%
展開率38%40%-2pt95%

この例では、面談数は目標を超えているのに既存案件の獲得率が80%しかないことが一目でわかる。受注件数を合算で見ていたら、この症状は見えない。

達成率を入れてボトルネックを自動検出する

F列に達成率を入れておくと、毎週の更新でボトルネックが勝手に浮かび上がる。

F2 = C2 / D2

条件付き書式:
F列が 90% 未満 → 赤で塗りつぶす

これだけで、会議で「どこが問題か」を議論する必要がなくなる。赤いセルを見て、そこの話から始めればよい。ツリーをエクセルで持つ最大の利点はここにある。

さらに一歩進めるなら、掛け算の枝は実際に掛けて検算させる。

新規受注件数(予測)= 面談数 × 展開率 × 展開獲得率
             = 210 × 38% × 62% ≈ 49件

各枝の現状値を入れるだけで着地見込みが出る。目標との差が見えれば、どの枝を何%動かせば届くのかを逆算できる。

階層を横に並べる理由

インデントで階層を表現したくなるが、セル内の字下げで階層を作るのは避けた方がよい。 並び替えや集計が効かなくなるからだ。階層ごとに列を分けておけば、あとからピボットテーブルで集計できるし、別の切り口で見直すのも容易になる。

週次会議の資料にそのまま乗せる

末端の行に、週次の実績を横に並べる。

指標          | 目標 | W1  | W2  | W3  | W4
────────────┼──────┼─────┼─────┼─────┼────
既存獲得率    | 65%  | 51% | 54% | 52% | 
面談数        | 50   | 48  | 55  | 52  | 
展開率        | 40%  | 36% | 39% | 38% | 

この形にすると、ツリーがそのままモニタリングシートになる。別の資料を作る必要がない。ツリーを描いて満足して終わるケースの多くは、描いた図と日々見る資料が別物になっていることが原因だ。


パワポで作る

報告資料や提案書に入れるならパワポが適する。

SmartArtを使う

「挿入」→「SmartArt」→「階層構造」→「横方向階層」を選ぶ。テキストウィンドウにTabキーで階層を下げながら打ち込むと、自動でツリーになる。手早いが、枝が増えると文字が勝手に縮むので、枝が10を超えると実用に耐えなくなる。

図形で作る

枝が多い場合は、角丸四角形+カギ線コネクタで組む。コツは2つだけだ。

  • 揃えを使う。 複数選択して「配置」→「上下に整列」で間隔を均一にする。手動で並べると必ずずれる
  • 階層ごとに色を変える。 濃い→薄いのグラデーションにすると、見る側が階層を意識せずに追える

パワポが向かない場面

数字を毎週更新する用途には向かない。パワポは「確定した結論を伝える」ための道具であって、考える途中や運用に使うものではない。エクセルで回し、報告するときだけパワポに転記するのが現実的だ。


専用の作図ツールは必要か

MiroやLucidchartなどのツールは、複数人で同時に考える場面では強い。ワークショップで切り口を出し合うときなどは、付箋を動かす感覚で使える分だけ優位だ。

一方で、数字を持って運用する段階に入ったら表計算ソフトに戻すのが良い。作図ツールは計算と集計が弱く、結局「綺鹷だが誰も更新しない図」になりやすい。

選び方の目安はこうなる。

場面適しているもの
切り口を出し合う(複数人)ホワイトボード、Miro
数字を入れて検証するエクセル、スプレッドシート
毎週運用するスプレッドシート(共有が楽)
経営層に報告するパワポ

KPIツリー設計 完全ガイド 表紙

Free Download

KPIツリー設計 完全ガイド

プロセス分解・分析の切り口・時間軸の3ステップで設計するKPIツリーの全手順を図解。書き込み式の設計シート付き。

資料をダウンロードする

コピペで使えるテンプレート

売上・受注件数を頂点に置いた場合の骨組みである。そのままセルに貼って使える。

【頂点の問い】今期の受注件数が計画に対して〇〇件足りない

階層1      階層2              現状値  目標値  差   達成率
既存案件    既存案件数          ___    ___    ___   ___
            既存案件の獲得率    ___    ___    ___   ___
新規案件    面談数              ___    ___    ___   ___
            展開率              ___    ___    ___   ___
            展開獲得率          ___    ___    ___   ___
競合負け    遭遇率              ___    ___    ___   ___
            競合負け率          ___    ___    ___   ___

使うときの注意点は3つだ。

  1. 階層2の切り口を自社に合わせて差し替える。 製品別・地域別・チャネル別など、枝ごとに違う打ち手が出る切り口を選ぶ
  2. 埋まらない枝を放置しない。 それは測れていない指標であり、ツリーより先に測定の設計が必要になる
  3. 達成率が最も低い枝を1つだけ選ぶ。 全部に手をつけた瞬間、ツリーはただの一覧表に戻る

具体例をもっと見たい場合はロジックツリーの例|Why・How・Whatツリーの具体例に種類別に並べている。


テンプレートを運用に乗せる

作ったツリーが一回で死ぬか、毎週使われるかの分かれ目は、更新の担当とタイミングが決まっているかだけだ。

  • 毎週何曜日に、誰が数字を入れるのか
  • どの会議でこの表を開くのか
  • 達成率が低い枝を、誰がどこまで追うのか

この3つが埋まっていないツリーは、どんなに綺麗に描けても一ヶ月で見られなくなる。逆にこの3つが決まっていれば、見た目が粗末でも機能する。

KPIとして週次運用の段階まで進めるなら、書き込み式の設計シートを含む「KPIツリー設計 完全ガイド」を無料で配布している。本記事の末尾から受け取れる。


まとめ

  • ツールを選ぶ前に、頂点の問い・切り口・数字が取れるかを決める
  • 毎週回すならエクセル・スプレッドシート。達成率+条件付き書式でボトルネックが自動で浮かぶ
  • 階層はセル内の字下げではなく列で分ける。集計と切り口の変更が効く
  • パワポは報告専用。考える過程と運用には使わない
  • 図の美しさではなく、更新の担当とタイミングがツリーの寿命を決める

関連記事

KPIツリー設計 完全ガイド 表紙

Free Download · Whitepaper

KPIツリー設計 完全ガイド

KPIツリー設計の全手順を21ページに凝縮。「感覚論の会議」を脱却し、チームの行動が揃う組織設計にお役立てください。

資料をダウンロードする

Free · 3min

貴社のKPI運用、今どの段階?

15問の無料診断でスコアと改善ポイントをその場で確認できます。

診断してみる →

関連するKPIナレッジ

営業KPI

営業マネジメントの実行設計|キーエンスMDPで学んだKPI×KDIで現場を動かす方法

「正しい施策ほど実行されない」のはなぜか。キーエンスのマネージャー育成プログラム(MDP)で直面した失敗から導いた、成果=実行度×インパクトの方程式と、KPI→KDI→KBで実行度を100%に近づける設計法。「気合いではなく構造で動かす」営業マネジメントの実務ガイド。

続きを読む →
KPI設計・フレーム

ロジックツリーの例|Why・How・Whatツリーの具体例と売上分解のパターン集

ロジックツリーの具体例を種類別に整理。Whatツリー(要素分解)、Whyツリー(原因追及)、Howツリー(手段展開)それぞれの実例に加え、売上・受注件数の分解パターンを掲載。悪い例と良い例を対比し、自分のツリーがどちらに近いか判定できる形にした。

続きを読む →
KPI設計・フレーム

ロジックツリーとは?4種類の使い分け・作り方・テンプレート|打ち手が出る分解の型

ロジックツリーとは何かを、What・Why・How・KPIの4種類の使い分けとMECEの落とし穴、作り方4ステップで図解。売上を例に「浅い分解」と「打ち手が出る分解」を比較し、キーエンスで実際に使っていた受注件数の分解式(既存・新規・競合負け数)を公開する。

続きを読む →

KPI設計のご相談はこちら

30分の無料相談で、貴社に最適なKPIの設計方針をお伝えします。

無料で相談する