← KPIナレッジ一覧に戻る
営業KPI2026-05-15

フィールドセールスKPI設計|展開F/Nで受注を最大化するキーエンス流設計法 50社支援】

営業組織KPI設計ガイド 表紙

Free Download

営業組織KPI設計ガイド

インサイドセールスからフィールドセールス、営業マネジメントまでを1本のファネルで設計する方法を、岩田基準のベンチマーク付きでまとめた資料です。

資料をダウンロードする

Newsletter

KPI・グロース戦略の知見を定期配信

無料で登録する →

フィールドセールスKPIの正しい設計法 | パス待ち営業から脱却し「展開」で受注を最大化する

FSは商談を待つ仕事ではありません。自分でアポを取り、自分で受注する。これが本来のフィールドセールスです。IS/FS兼務を前提とした活動設計、キーエンス由来の「展開」概念による中間KPI、新規・チャネル・規模での分解管理──スタートアップで実装してきた、経営層・営業マネジメント向けのFS KPI設計を解説します。


パス待ちフィールドセールスはなぜダメか

私はパスを待っているだけのフィールドセールスは良くないと考えています。口を開けてパスを待つだけなら、正直誰でもできてしまいます。

理想は、ISもFSも自分で両方やる体制です。私自身、スタートアップでCOOをやっていた時も、FSのKPIにIS業務(コール件数、アポ獲得数)をきちんと評価項目として組み込んでいました。

FS側がコールやIS業務をやらないと、何が起きるか。お客様が稼働している営業時間中に、ひたすら提案書を作り続けるという状態になります。これは時間の使い方として間違っています。お客様が動いている時間に営業活動をせず、デスクワークだけをしているのは、FSとしては浮いた状態です。

例外は、エンタープライズセールスでタッグを組んで動くケースです。担当を完全に分けて、ISがアポを取りFSがクロージングに集中する設計が機能する場面もあります。ただし、これは例外であり、ほとんどの場合はFS自身がコール業務を持つべきです。

IS/FS兼務(原則)vs 分業(例外)の使い分け

IS日とFS日を明確に分ける

ただし注意点があります。IS業務とFS業務を中途半端に混ぜると、コネクト率が下がります。

インサイドセールスで電話して担当者に繋がる確率は、おおよそ3割です。担当者を捕まえるには、午前中にかけて、午後の在席タイミングを狙うといった時間帯設計が必要になります。FSの合間にちょこちょこコールを挟むやり方では、この時間帯設計ができません。結果としてコネクト率が落ち、アポも取れず、IS活動そのものが形骸化します。

だからIS日とFS日は明確に分けます。「今日は1日コール」「今日は1日商談」という形でスケジュールをフィックスします。

もう一つ重要なのは、電話業務は心理的負荷が高いという事実です。コール業務は正直しんどい。だから人は色々言い訳をして、電話しなくなります。商談の準備、提案書の作成、社内ミーティング、いくらでも「やらない理由」は生まれます。だからこそ、スケジュール上で物理的にIS日をブロックしてしまう運用が必要になります。意志ではなく仕組みで電話を担保するのです。

NG例(合間にコールを差し込む)と推奨例(曜日単位で分ける)

中間KPI「展開」がフィールドセールスの心臓

ここからが本題です。FSのKPIで最も重要なのが、面談と受注の間にある中間KPI「展開」です。

「展開」はキーエンス用語ですが、Exgrowthが支援する企業でも積極的に使っています。意味するのは、担当者が検討の意思を明確に示した案件のことです。

展開は次のように分けて管理します。

  • 展開F:当期中に受注できる可能性のある案件
  • 展開N:次期に受注できる可能性のある案件

キーエンスは半期単位で見ていくので、展開Fは「今期売れる確率があるもの」、展開Nは「来期売れる可能性があるもの」となります。

加えて、大手向けには「申請」というフェーズを設けます。大手企業では予算申請プロセスがあるため、申請数、申請通過率、申請通過後の検討期間、申請からの獲得件数といった指標を見ていきます。SMBは展開F/Nで管理し、エンタープライズは申請フェーズを加えて管理する。両軸で見て判断する設計です。

面談→展開→受注のファネルと各分断点

なぜ展開という中間KPIが必要か。受注までのリードタイムは長いです。受注だけを見ていると、「そもそも展開が出ていないのか」「展開は出ているが受注に至らないのか」が判別できません。これは全く別の問題です。

  • 展開が出ない:刺さるPRができていない、ターゲットが適切ではない、初回面談の質が低い
  • 展開から獲れない:競合に負けている、提案内容が弱い、価格で折り合わない

原因が違えば打ち手も違います。展開KPIを置かずに受注だけを追うと、この切り分けができず、PDCAが回りません。

「展開が出ない」vs「展開から獲れない」の原因と打ち手

営業組織KPI設計ガイド 表紙

Free Download

営業組織KPI設計ガイド

売上の分解式・営業ファネルのベンチマーク早見表・打ち手の3層構造(ボトルネックKPI→Primary KPI→KDI)・実装ケース・16項目チェックリストまで収録。IS/FS/マネジメントのKPIを分断させず一本化する実践ガイドです。

資料をダウンロードする

期初の動き方が変わる:展開KPIが生む経営判断

展開KPIを置く本当の価値は、経営判断のスピードと精度が上がることにあります。

例えば4月-9月期を考えてみます。9月時点で目標未達が見えていて、案件が足りない。この場合に必要なのは展開Fを増やすことです。ですが、9月から大手ばかりにアプローチしても、当期予約は出ません。大手は申請プロセスを経るので、当期決着しないからです。

ここで展開KPIが効いてきます。目標達成が厳しいと見えた営業担当は、6月時点で展開Fを積むために、中小企業の社長への直接アプローチに切り替えるべきです。意思決定者が社長一人で完結する中小なら、当期受注に間に合います。

このように、「期末に何の活動をすべきか」「期初に何の活動を仕込むべきか」という打ち手の判断が、展開KPIの状態から逆算で出てくる。KPIが「測るもの」から「動かすもの」に変わる瞬間がここにあります。

SMBとエンタープライズの管理フェーズの違い

受注の3軸分解:どこにリソースを寄せるか

最後に、受注を3軸で分解する話をします。

  • 新規 vs 既存:新規開拓と既存深耕では難易度も時間軸も違う
  • チャネル別:引き合い経由かアウトバウンドか
  • 規模別:SMBかエンタープライズか

この3軸で受注を分解し、どのセグメントの効率が良いかを特定します。効率が良いセグメントが見えたら、なぜそこが効率良いのかを言語化する。そして、効率の良いセグメントにリソースを寄せられないかを判断します。

ここで重要なのが、これらの数字が日次で出てくる運用ができるかどうかです。キーエンスの強みは、まさにこのデイリー数値管理にあります。週次や月次では遅い。日次で展開数・申請数・受注数がセグメント別に見える状態になっていれば、リソース配分の判断を即座に変えられます。

スタートアップでも、ここまで作り込めている会社は少ないです。ですが、ここを作り込めば、営業組織の意思決定速度は圧倒的に変わります。

受注を3軸(新規/既存、チャネル、規模)で分解

まとめ:FS KPIを”測るもの”から”動かすもの”へ

FSのKPI設計で押さえるべき要点は以下の通りです。

  1. パス待ちFSを許容しない:IS/FS兼務を前提に、FSにもコール業務を組み込む
  2. IS日とFS日を分ける:コネクト率を守るため、スケジュールで物理的にブロックする
  3. 「展開」を中間KPIに置く:展開F/N、申請フェーズで受注前段階を可視化する
  4. 3軸で分解する:新規/既存、チャネル別、規模別。日次で見える運用にする

FSのKPIは、商談数と受注数だけでは語れません。中間KPIを置き、分解して見て、経営判断に繋げる。ここまで設計して初めて、FSは「成長エンジン」として機能します。


← KPI設計の全体マップに戻る


関連記事

営業組織KPI設計ガイド 表紙

Free Download · Whitepaper

営業組織KPI設計ガイド

架電から受注まで、営業KPIを1本のファネルで設計する——50社支援で見えた「形骸化しない営業組織KPI」の型を、全17ページの実践ガイドにまとめました。

資料をダウンロードする

Free · 3min

貴社のKPI運用、今どの段階?

15問の無料診断でスコアと改善ポイントをその場で確認できます。

診断してみる →

関連するKPIナレッジ

営業KPI

営業マネジメントの実行設計|キーエンスMDPで学んだKPI×KDIで現場を動かす方法

「正しい施策ほど実行されない」のはなぜか。キーエンスのマネージャー育成プログラム(MDP)で直面した失敗から導いた、成果=実行度×インパクトの方程式と、KPI→KDI→KBで実行度を100%に近づける設計法。「気合いではなく構造で動かす」営業マネジメントの実務ガイド。

続きを読む →
営業KPI

営業ノルマの決め方|逆算だけで目標を決めてはいけない理由と、納得される設定手順

全社目標を人数で割ったノルマは、現場から見て根拠がないから納得されない。逆算値と、実績分布・過去達成率・パイプライン実態から積み上げた値を突き合わせ、ギャップを売上分解式のどの変数で埋めるかまで決める設定手順を、50社以上を支援したKPIコンサルが解説する。

続きを読む →
営業KPI

プロセス評価とは|結果だけで測ると営業は壊れる。行動KPIを評価に落とす設計

結果評価だけでは担当エリアや案件の巡り合わせという運で評価が決まり、若手が育たない。かといって架電数をそのまま点数化すれば水増しが起きる。プロセス評価は「量」ではなく「型の実行率」で測る——その設計手順を50社以上を支援したKPIコンサルが解説する。

続きを読む →

KPI設計のご相談はこちら

30分の無料相談で、貴社に最適なKPIの設計方針をお伝えします。

無料で相談する