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採用・人事KPI2026-09-15

管理職・マネージャーの評価とKPI|「チームの合計」で測ると、上司は自分で売りに行く

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本記事は50社以上の成長支援を手がけるKPIコンサル・岩田圭弘が解説します。

トップセールスをマネージャーに登用した。ところが半年後、チームの数字は伸びていないのに、本人は誰よりも商談に出ている——。多くの組織で起きるこの現象の原因は、本人の資質でも覚悟でもない。管理職の評価指標が、プレイヤー時代の指標の延長のままになっているという設計の問題だ。この記事では、マネージャーの評価に使ってよいKPIと、管理にだけ使うべきKPIをどう分けるのか、その具体的な手順を解説する。

図:管理職の評価は3層のどこに置くか(KGI→中間KPI=再現性の層→先行KPI)
図:管理職の評価は3層のどこに置くか(KGI→中間KPI=再現性の層→先行KPI)

「チームの合計」で評価すると、マネージャーはプレイングに逃げる

管理職の評価で最も多い形は、担当チームの売上合計に、本人の個人受注額を加えるものだ。一見すると成果に対して公正に見える。だが、この設計はマネージャーに対して明確なメッセージを送っている——今期の合計さえ積めば評価される、と。

そして、チームの合計を最も確実に、最も早く積む方法は、マネージャー自身が売ることである。ベテランが大型案件を自分で持てば、期内の着地はほぼ確実に良くなる。育成は成果が出るまでに数四半期かかるが、自分で取れば今月中に数字になる。制度がプレイングを推奨しているのだから、プレイングに戻るのは合理的な判断だ。

問題は翌期以降に出る。マネージャーが難所の商談を自分で巻き取るたびに、メンバーはその商談を経験しない。経験しないから伸びない。伸びないからマネージャーがさらに巻き取る。この循環が数期回ると、チームは「マネージャー1人と、伸びないメンバーたち」という構造になり、合計の数字も最終的には落ちる。

管理職の評価が難しいのは、成果が本人の行動ではなく、他人の行動を通じてしか現れないからだ。だからこそ、何を評価に載せ、何を載せないかの線引きが、プレイヤー以上に効いてくる。

管理職評価が形骸化する3つの原因

図:管理職評価が形骸化する3つの原因と、評価との紐づけが生む6つの行動
図:管理職評価が形骸化する3つの原因と、評価との紐づけが生む6つの行動

原因1:評価との紐づけが、マネジメント行動そのものを歪める

最大の原因はこれだ。管理職の評価をチームの合計数字と個人成績に直結させると、次のような行動が確実に発生する。

  • 案件の付け替え:メンバーが起こした有望案件を、確実に決めるという名目で自分の担当に移す
  • 配分の偏り:確度が高く単価の大きい引き合いを、育成余地のあるメンバーではなく実績のあるメンバー(または自分)に寄せる
  • 育成の後回し:同行や振り返りの時間が、期末に近づくほど自分の商談で埋まる
  • 低評価メンバーの押し出し:伸び悩んでいるメンバーを育てるより、異動や配置換えで自チームの外に出したほうが数字が良くなる
  • チーム間の非協力:他チームへの引き継ぎやナレッジ共有は、自分の評価には1円も寄与しない
  • レビュー会議での隠蔽:自チームの不振を出すことが自分の査定に直結するため、「見込みは十分あります」という報告が続く

最後の1つは特に重い。マネージャーが実態を出さなくなった瞬間、経営から見た事業の解像度はゼロになる。現場の数字が歪むより、マネージャー層の報告が歪むほうが、事業へのダメージははるかに大きい。

原因2:評価項目が「リーダーシップ」「部下育成」で止まっている

もう一つの典型が、マネジメント面を「リーダーシップ」「部下育成」「組織貢献」といった項目にして5段階で採点する形式だ。これらは行動として定義されていないため、採点は評価者の印象になる。そして被評価者から見ると、明日から何をすればその点数が上がるのかが分からない。行動に翻訳できない評価項目は、納得感も改善効果も生まない。

原因3:管理職の目標だけ、期中に一度も見返されない

メンバーのKPIは週次・月次で追いかけているのに、マネージャー自身の目標は期初に立てて期末に採点するだけ、という組織は多い。これだとマネジメントの改善サイクルが年1回になる。メンバーより長いサイクルで自分を見ている人が、メンバーの週次の改善を指導するという矛盾が起きる。

3層フレームで設計する——管理職はどの層で評価するか

KPIは、KGI(最終成果)→中間KPI(遅行指標)→先行KPI(行動指標)の3層で設計する。管理職の評価も、この3層の上に線を引く。ただしプレイヤーと違い、中間KPIの選び方が決定的に重要になる。

役割管理職での指標例評価に使ってよいか
KGI(最終成果)チームの成果そのものチーム粗利額・チーム受注額使ってよい。ただしこれ単独では、プレイングで達成できてしまう
中間KPI(遅行)=再現性の層成果が「誰によって」生まれたかを測る目標達成メンバー比率・新メンバーの立ち上がり日数・継続率使ってよい。ここが管理職評価の主戦場
先行KPI(行動)マネージャー自身の行動量同行商談数・1on1実施率・レビュー会議の開催率評価には使わない。管理に使う。本人が完全に操作できる

評価に使ってよいのは結果KPI(KGIと、操作しにくい中間KPI)までで、先行KPI=行動指標を評価に紐づけると即座に形骸化する。この線引きの全体像はKPIを人事評価に使うと数字が歪む|「評価するKPI」と「管理するKPI」を分ける設計法で解説しており、本記事はその各論——管理職という、成果が他人経由でしか現れない層をどう評価するか——にあたる。

そのうえで、管理職に固有の結論はこれだ。マネージャーの評価軸は「チームの合計」ではなく「チームの再現性」に置く。

合計はプレイングで積める。だが再現性はプレイングでは絶対に作れない。目標を達成するメンバーが何人いるか、新しく入った人がどれだけ早く立ち上がるか——これらの指標は、マネージャーが自分で売っている限り一切改善しない。プレイングで上げられない指標を主軸に置くことが、プレイングへの逃避を防ぐ唯一の設計である。

3層構造そのものの考え方はKGI・KPI・KDIの違いを参照してほしい。

主要指標と「評価に使ってよいか」一覧

図:管理職の指標仕分け表|評価に使ってよいか、管理にとどめるか
図:管理職の指標仕分け表|評価に使ってよいか、管理にとどめるか

営業組織を例に、管理職評価の候補になる指標を仕分けたのが次の表だ。

指標種別評価/管理理由
チーム粗利額遅行(KGI)評価成果そのもの。ただし単独主軸にすると、プレイングで達成できてしまう
目標達成メンバー比率遅行(中間)評価合計では見えない再現性を測る。マネージャーが自分で売っても改善しない
新メンバーの立ち上がり日数遅行(中間)評価育成の成果が数字で現れる数少ない指標。母数が小さい期は複数期の移動平均で見る
チームの契約継続率遅行(中間)評価顧客側の行動で決まるため操作しにくい。無理な取り方の抑止にもなる
パイプライン予測と着地の乖離遅行(中間)条件付き評価案件を正しく見ている証拠になる。低めに申告して当てる操作を防ぐため、上振れ・下振れの両方を絶対値で見る
マネージャー個人の受注額遅行(KGI)主軸には使わない評価の主軸に置くと、制度がプレイングを推奨することになる
メンバーの離職率遅行評価に使わない(参考値)点数化すると、辞めそうな人を抱え込む・問題提起を封じるという副作用が出る
同行商談数先行(量)管理点数化すると「顔を出すだけの同行」が量産される。数ではなく中身が効く行動
1on1実施率・レビュー会議開催率先行(量)管理実施したという形式だけが整う。開催の有無より、そこで何が更新されたかが本質
チームの型実施率(メンバーの行動の型)先行(型)管理マネージャーの評価に載せると、実施率を上げるための形式的な入力を促す
「リーダーシップ」「部下育成」定性(印象)評価に使わない行動として定義されていないため、評価者が変われば結果が変わる。改善指針にもならない

表を見て分かるとおり、管理職の評価に使える指標も、やはり少ない。そして少なくてよい。評価項目を増やすほど操作可能な数字が増え、歪みの入口が増える。

KSFは「比較」から見つける——優れたマネージャーの差分をどう掴むか

図:上位マネージャーと平均層の差分を型にする3段階(材料収集→言語化→実行可能性の判断)
図:上位マネージャーと平均層の差分を型にする3段階(材料収集→言語化→実行可能性の判断)

管理職の評価項目を設計するとき、多くの組織は「あるべきマネージャー像」から逆算しようとする。だが実務で機能する成功要因(KSF)は、逆算では出てこない。成果を出しているマネージャーと平均的なマネージャーの差分を比較することでしか掴めない。

この比較作業は、次の3段階で進める。順番を飛ばすと必ず失敗する。

①データ・AIは、比較材料を大量に用意する

SFAのログ、カレンダーの時間配分、同行の分布、レビュー会議の議事録、メンバーごとの成長曲線——上位マネージャーと平均層の行動履歴を大量に並べる部分は、機械が圧倒的に速い。誰にどれだけ時間を使ったか、どの案件に介入したかを、記憶ではなく記録から出せる。

②人間が、本質的な違いを抽出し、型として言語化する

しかし材料をいくら並べても、そこから「チームの伸びを分けているのは何か」を一段抽象化し、1つの型として言葉にする作業は、ツールにもAIにもできない。これはマネージャーの上長やコンサルタントなど人間にしかできない仕事だ。「上位者は同行が多い」で止めれば単なる傾向の羅列になる。「上位者は、成績下位ではなく中位のメンバーに時間を割いている」「同行前に、その商談で見せたい型を1つだけ決めている」——ここまで言語化して初めて、他の人が真似できる型になる。

③人間が、その型が全員に実行可能かを判断する

さらに、抽出した差分がそのまま評価項目になるわけではない。「これは全員が実行できる型か、それとも特定のマネージャーの経験・人間関係・センスに依存していて再現できないものか」を判断する工程が要る。この実行可能性の判断も、人間の仕事だ。前職の人脈で決裁者を紹介できる、業界での知名度で相手が会ってくれる、圧倒的な商品知識でその場の質問にすべて答えられる——こうした行動はチームの成果に効いていても、他のマネージャーには再現できない。

そして本記事の核心はここにある。評価項目として使ってよいのは、③をくぐり抜けた「全員が実行できる型」だけだ。特定の人のセンスに依存する行動を評価項目に置くと、それは評価ではなく相性の判定になる。「あの部長のようにできているか」を採点する制度は、新任マネージャーから見れば理不尽そのものであり、納得感を最も損なう。行動の型化の方法論そのものはコンピテンシー評価とはで詳しく扱っている。

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管理職の評価項目・先行指標の作り方(5ステップ)

図:管理職の評価項目・先行指標の作り方(5ステップ)
図:管理職の評価項目・先行指標の作り方(5ステップ)

Step 1:評価の主軸を「チームの成果」と「再現性」の2つで置く

チーム粗利額のような結果指標を1つ、目標達成メンバー比率のような再現性指標を1つ。この2つをセットにするのが管理職評価の骨格だ。合計だけならプレイングで達成でき、再現性だけなら事業の成果と切り離される。両方を置くことで初めて、「メンバーが売って、チームの数字が積み上がる」以外の達成ルートが消える。

Step 2:自チームの「再現性」を表す中間KPIを特定する

達成メンバー比率、新メンバーの立ち上がり日数、継続率、成績上位と下位の差——自社のフェーズで最も痛い箇所を1〜2個選ぶ。人数を増やしている局面なら立ち上がり日数、既存メンバーが伸び悩んでいるなら達成比率が効く。ここではまだ評価に使わず、診断のための指標として置いて数字を眺める期間を作る。

Step 3:上位マネージャーと平均層を比較し、差分を型に言語化する

前章の①②を実行する。再現性指標が高いマネージャーと低いマネージャーで、どの行動が違うのかを比較材料から抽出し、1つの型として言語化する。ここで出てくるのは通常2〜3個だ。10個出てきたら、抽象度が足りていない。

Step 4:その型が全員に実行可能かを判断し、実行できないものを落とす

前章の③にあたる工程で、ここを飛ばすのが最もよくある失敗だ。抽出した型を1つずつ「新任マネージャーが3ヶ月で実行できるか」で判定する。実行できないものは、評価項目にも先行KPIにもしない。代わりに、同じ効果を生む別の行動を探す。「人脈で決裁者を紹介する」は再現できないが、「メンバーの主要案件について、決裁ルートと関与者を月次で一緒に確認する」なら誰でも実行できる。狙う効果は近く、実行可能性だけが違う。

Step 5:残った型は週次で可視化し、評価ではなくレビューの議題にする

実行可能と判断した型は、実施状況を週次で可視化する。ただしこれは管理用であり、「実施できていないのはなぜか、型に無理があるのか」を議論する材料として使う。評価面談に持ち込むのは、Step 1で決めた2つの結果指標だけだ。そして管理職の目標も、メンバーと同じサイクルで期中に見返す。年1回しか見返されない目標は、管理職であっても機能しない。運用サイクルの設計はKPIマネジメントの運用PDCAを参照してほしい。

改善の型——評価軸を変えると、構造がどう変わるか

図:評価軸をチーム粗利額+目標達成メンバー比率に置き換えると、組織の構造がどう変わるか
図:評価軸をチーム粗利額+目標達成メンバー比率に置き換えると、組織の構造がどう変わるか

実在の企業名や改善率を挙げることはしない。代わりに、評価軸の置き換えが組織の構造をどう変えるのか、その因果を示す。

Before の構造:評価=チーム売上合計+マネージャー個人の受注額。マネージャーは、期末が近づくほど自分で大型案件を持つ。短期の合計は達成される。しかしメンバーは難所の商談を経験せず、伸びない。伸びないから翌期はさらにマネージャーが持つ。同時に、レビュー会議は査定の場と地続きなので、未達の申告は限界まで遅れる。

After の構造:評価=チーム粗利額+目標達成メンバー比率の2つ。マネージャー個人の受注額は主軸から外す。同行数・1on1実施率は評価から外し、週次ダッシュボードの管理指標としてレビュー会議でのみ扱う。KPIレビュー会議と評価面談は、時期・参加者・議題を分ける。

何が、なぜ変わるか

  • マネージャーが案件を自分で持つ動機が消える。難所の商談を「代わりに取る」から「一緒に入って型を渡す」に変わる。同じ同行という行動でも、目的が変わる
  • 達成メンバー比率が評価軸になると、時間の配分先が変わる。放っておいても達成する上位者でも、何をしても届かない下位者でもなく、あと一歩の中位層に時間が向かう。ここが最も比率を動かすからだ
  • 案件の付け替えが起きなくなる。付け替えても合計は変わらず、達成メンバー比率は下がるだけなので、操作しても得をしない構造になる
  • レビュー会議が査定から切り離されると、未達の申告が早まる。早く出れば手が打てる。マネージャー層の報告が実態を映すようになることで、経営の意思決定の精度そのものが変わる

注意点も1つ。評価軸を切り替えた直後の1〜2四半期は、合計の数字が伸び悩むことがある。マネージャーが巻き取っていた分がメンバーに移るからだ。この期間を「制度変更の失敗」と判断して元に戻すと、組織はプレイング依存に固定される。切り替え時は、何四半期で判断するかを先に決めておく。

よくある失敗3パターン

失敗1:プレイングマネージャーの個人成績を評価の主軸に置く

人数の少ない組織では、マネージャーが自分の担当を持つこと自体は避けられない。問題は、それを評価の主軸に置くことだ。個人成績を主軸にすれば、制度がプレイングを推奨していることになる。個人の担当を持たせるなら、役割としての稼働割合を先に決めて合意し、評価の主軸はチームの再現性に置く。「自分で売ることは仕事に含まれるが、評価されるのはチームが売れるようになったことだ」という線を明示する。

失敗2:「部下育成」を印象で採点し、評価者研修で解決しようとする

育成の評価がばらつくと、多くの企業は評価者研修や目線合わせ会議を増やす。だが問題は評価者のスキルではなく、項目そのものが行動として定義されていないことにある。育成を評価したいなら、その結果指標(新メンバーの立ち上がり日数、達成メンバー比率)まで降ろす。降ろせない要素は、評価から外して育成の対話で扱う。

失敗3:管理職の目標だけ年1回のサイクルで運用する

メンバーは週次でKPIを見ているのに、マネージャー自身の目標は期初と期末しか見られない。これではマネジメントの改善サイクルが1年になる。管理職の再現性指標も、月次でレビューの俎上に載せる。ただしそれは査定の場ではなく、数字が動かない原因を探す場であることを、運用として明確に分ける。

よくある質問(FAQ)

Q1. プレイングマネージャーの個人受注額は、まったく評価しなくてよいのですか?

A. 主軸から外す、というのが答えです。完全に無視すると「自分で売るのは損」という別の歪みが出るため、評価に入れる場合でも比重は明確に小さくし、チームの再現性指標より上に置かないでください。より確実なのは、個人の担当持ちを評価項目ではなく役割定義として扱い、期初に稼働割合を合意しておくことです。

Q2. チームが3〜4人と小規模で、達成メンバー比率がぶれます。

A. 母数が小さいときは、単一四半期の比率で採点しないでください。複数期の移動平均で見る、あるいは比率ではなく「各メンバーの前期比の伸び」を並べて見るほうが実態を映します。人数が少ないほど1人の巡り合わせが比率を大きく動かすため、期をまたいだ傾向で判断するのが原則です。

Q3. メンバーの離職率を管理職の評価に入れるべきですか?

A. 参考値にとどめることを勧めます。離職率を点数化すると、辞めそうな人を抱え込む、退職の意思表示をしにくい空気を作る、問題のある状況を上に上げないといった副作用が出ます。離職は原因の分析対象であって、採点の対象にすると原因が見えなくなります。

Q4. 新任マネージャーとベテランで、指標や比重を変えてよいですか?

A. 比重は変えて構いません。新任のうちは立ち上がり日数のように介入の効果が見えやすい指標の比重を上げる、といった調整は有効です。ただし「行動量は評価に使わず管理に使う」「評価項目は全員が実行できる型に限る」という2つの原則は変えないでください。ここを崩すと、比重をどう調整しても歪みが入ります。

Q5. 同行数や1on1実施率を評価から外すと、やらなくなるのではないですか?

A. 「評価から外す」と「見なくなる」は別です。外すのと同時に、週次ダッシュボードの管理指標として残し、レビュー会議で扱い続けることをセットで宣言してください。伝えるべきは「見なくなる」ではなく「見る場所が変わる」です。加えて、実施率という形式より「その1on1で何が更新されたか」を議題にすると、形だけの実施は自然に減ります。

まとめ

マネージャーがプレイングに戻るのは、本人の資質の問題ではない。チームの合計と個人成績で評価する制度が、それを最短ルートとして提示しているからだ。

  • 管理職の評価軸は「チームの合計」ではなく「チームの再現性」に置く。合計はプレイングで積めるが、再現性はプレイングでは作れない
  • 評価に使うのは、チーム粗利額+達成メンバー比率や立ち上がり日数のような再現性指標。同行数・1on1実施率といった行動量は評価から外し、管理用の計器として残す
  • 評価項目に置いてよいのは「全員が実行できる型」だけ。人脈や知名度に依存する行動を項目にすると、それは評価ではなく相性の判定になる
  • マネージャー層の報告が歪むダメージは、現場の数字が歪むより大きい。レビュー会議と評価面談を分け、未達が早く上がる構造を作る

管理職を評価するとは、その人が今期いくら売ったかを測ることではない。その人がいなくてもチームが売れるようになったかを測ることだ。評価軸をそこに置き換えたとき、マネージャーの時間は初めて、自分の商談からメンバーの成長へと動き出す。


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