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KPI設計2026-05-28

マーケティングKPI完全ガイド|リード数至上主義を脱却し、面談数×ROIで営業と連動する設計法

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KPI Growth Model 入門ガイド

KPIを「測るだけ」から「動かす」に変えるためのフレームワーク全体像を15ページにまとめた資料です。

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「マーケが頑張っているのに売上が伸びない」——この問題の多くは、マーケティングのKPIがリード数で止まっていることに原因があります。

リード数をKPIにした瞬間、マーケは「とにかくリードを集める」方向に最適化されます。質の低いリードが量産され、営業は対応に疲弊し、ROIは下がり続ける。50社以上の支援で見てきた、最も多いパターンです。

マーケティングKPIは面談数と売上(受注金額)を起点に設計するのが正解です。この記事では、リード獲得からROI計測まで、一気通貫のKPI設計を解説します。


マーケ×IS×FSの責任分界
マーケ×IS×FSの責任分界

1|マーケティングKPIの全体像

マーケティングのKPIは、リードから受注まで一本のファネルで管理します。

ステージ指標定義
認知・流入リード数獲得した見込み顧客の総数
選別MQL数マーケ基準で営業に渡せると判断したリード数
商談化面談数実際に商談が設定された件数
検討化展開数担当者が検討意思を表明した件数
成果受注数・受注金額最終アウトカム
効率ROI・LTV/CAC投資対効果の評価

重要なのは、マーケが「面談数と受注数」まで責任を持つことです。リード数で止めると、営業との分断が起きます。面談数はマーケ×ISの共同責任、受注数はマーケ×IS×FSの共同KPIとして設計することで、「リードは渡した、あとは営業の問題」という分断をなくせます。


2|リードスコアリング:属性×行動の4象限

リードスコアリングマトリクス
リードスコアリングマトリクス

:属性情報×行動情報

全てのリードを同列に扱ってはいけません。リードの質を評価するためにスコアリングを設計します。

スコアリングの2軸

上のマトリクスの各象限に対応します。

内容取得方法
属性情報企業規模・業種・役職・地域フォーム入力・展示会名刺
行動情報資料DL・ページ閲覧・メール開封MA・アクセス解析

属性スコア+行動スコアの合計で閾値を超えたものをMQLとして営業に渡すのが基本設計です。

展示会など「属性情報しかわからない」ケース

展示会やセミナーで獲得した名刺は、行動情報がゼロの状態です。このとき、属性情報だけでスコアリングし、ティア分けして渡す方法を取ります。

【展示会リードのティア分け例】

Tier A(即アプローチ)
→ 決裁者 × 自社ターゲット業種 × 従業員300名以上

Tier B(ナーチャリング後アプローチ)
→ 担当者レベル または ターゲット外業種

Tier C(メルマガのみ)
→ 学生・個人・競合

Tier Aはインサイドセールスが即架電、Tier Bはメール→反応があれば架電、Tier Cはメルマガで温め続ける。この3段階で属性ベースのリードを無駄なく処理できます。


3|施策ごとのROI計測:MRR/ARRベースかLTVベースか

施策のROIを計測するとき、何を分母に置くかで投資判断が大きく変わります

MRR/ARRベースの評価

初年度の契約金額(MRR×12 or ARR)を回収基準にする方法です。SaaSでチャーンが高い・LTVが読みにくい初期フェーズに向いています。

例:展示会出展費用 100万円
→ 獲得リード 50件
→ MQL 15件
→ 受注 3件 × ARR 60万円 = 180万円
→ ROI = 180万円 ÷ 100万円 = 1.8倍(初年度回収)

LTVベースの評価

チャーンが低く、LTVが安定している商材では、LTVで投資判断します。短期では赤字に見える施策でも、LTV換算で黒字になるケースは多いです。

例:タクシー広告 月300万円
→ 経由問い合わせ 20件/月
→ 受注 2件/月 × ARR 120万円 = 240万円
→ LTV(平均3年)= 360万円 × 2件 = 720万円
→ 月次ROI = 720万円 ÷ 300万円 = 2.4倍(LTVベース)

どちらのベースで評価するかを先に決めてから施策を承認する。これを怠ると、終わった後に「どこで判断するか」で揉めます。


4|LTV/CAC・CAC Paybackで効率性を管理する

ROIの計測と並行して、効率性の指標を常にモニタリングします。

マーケティングKPIファネル
マーケティングKPIファネル

LTV/CAC:具体例で理解する

LTV/CACは「1人の顧客を獲得するのに使ったコストが、その顧客の生涯価値の何倍になって返ってくるか」を示す指標です。

【具体例:月額10万円のSaaSプロダクト】

CAC(顧客獲得コスト)     = 50万円
月次MRR                   = 10万円
チャーン率(月次)         = 2%

LTV = MRR ÷ チャーン率 = 10万円 ÷ 0.02 = 500万円

LTV/CAC = 500万円 ÷ 50万円 = 10倍 ✓(目安:3倍以上)

LTV/CACが3倍未満の場合は要注意です。マーケ・IS・FSすべてのコストを回収できていないサインです。チャーン改善(LTV↑)かCAC削減のどちらを優先するかを判断します。

チャーンが高い段階でCAC投資を増やすのは最悪の選択です。バケツに穴が開いたまま水を注ぐ状態になります。

CAC Payback:具体例で理解する

CAC Payback タイムライン
CAC Payback タイムライン

CAC Paybackは「投資したCACを何ヶ月で回収できるか」です。キャッシュフローに直結します。

【具体例:月額10万円・グロスマージン70%のSaaS】

CAC                        = 50万円
月次グロスマージン          = 10万円 × 70% = 7万円

CAC Payback = 50万円 ÷ 7万円 = 約7ヶ月 ✓(目安:18ヶ月以内)

→ 7ヶ月でCACを回収し、以降は純粋な利益に転換

Paybackが18ヶ月を超える場合、成長投資のためのキャッシュが枯渇しやすくなります。展示会・タクシー広告など一時的に投資が増える時期は、Paybackが伸びることを事前に経営に説明しておくことが重要です。

【Payback悪化のケース:タクシー広告300万円/月を開始した場合】

翌月のCAC上昇:50万円 → 80万円
Payback:7ヶ月 → 11〜12ヶ月
→ 許容範囲内かを経営と事前合意しておく

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KPI Maturity Model の自社診断と Implementation Checklist(20項目)を収録。形骸化しないKPI設計の実装手順を一冊で。

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5|チャネル別ROIを個別に計測する

チャネル別ROI比較
チャネル別ROI比較

5.5|タクシー広告などブランディング施策の評価

タクシー広告・交通広告・展示会は、ダイレクトレスポンスではなく認知・ブランディング投資として位置づけるのが正しい評価です。

向いている商材・向いていない商材

条件向いている向いていない
意思決定者経営者・CFOが即決できる稟議プロセスが長い・担当者決裁
単価高単価(LTVが大きい)低単価(ROIが合いにくい)
目的ブランド認知・No.1ポジション確立即効性のリード獲得

BtoBで稟議プロセスが長い商材は、タクシー広告を見てすぐ問い合わせる、という動線が成立しにくいです。一方、スタートアップ経営者が意思決定者で、自分でサービスを選ぶ商材には即効性があります。

ブランディング施策のKPI設計

タクシー広告などのROIは、直接帰属が難しいため以下の方法で評価します。

① 問い合わせフォームに「何でお知りになりましたか?」を追加
 → 経由チャネルを記録し、タクシー広告経由の受注金額を集計

② CAC Payback = タクシー広告費 ÷ 経由受注のLTV

③ 補助指標:ブランド指名検索数の推移(Google Search Console)

過去の支援事例では、競合との差別化が難しく業界内のNo.1がどちらか曖昧な状況で、タクシー広告と展示会を組み合わせて圧倒的なNo.1ポジションを確立できたケースがあります。ダイレクトなROIだけで判断せず、ポジショニング効果を加味した多面的な評価が重要です。


6|マーケ・営業を一気通貫で評価する

マーケが「リード数」だけで評価されると、数は多いが質が低いリードを量産する方向に最適化されます。これは営業の工数を無駄に消費させ、受注率を下げる最悪のサイクルです。

一気通貫のKPI管理表

指標担当目安(参考)
リード数マーケ施策規模による
MQL数・MQL率マーケリードの30〜50%
面談数・MQL→面談転換率マーケ+ISMQLの40〜60%
展開数・面談→展開転換率IS+FS面談の30〜50%
受注数・受注金額FS展開の30〜50%
LTV/CACマーケ+経営3倍以上
CAC Paybackマーケ+経営18ヶ月以内

マーケのKPIを「面談数」まで持たせることで、営業との目線が揃います。リード数だけで評価していたときと比べ、施策の優先順位がガラッと変わるはずです。

チャネル別に分解する

同じ「リード」でも、展示会・SEO・タクシー広告・紹介では転換率が全く異なります。チャネルを混在させて平均値だけを見ていると、どのチャネルが本当に効いているかが見えなくなります。

チャネルリード数MQL率面談転換率受注転換率ARR単価受注金額計ROI幅
SEO / コンテンツ20020%50%25%80万円400万円★★★(長期資産型)
展示会 / セミナー8040%60%30%150万円864万円★★★(単発集中型)
リスティング広告50010%40%15%60万円180万円★☆☆(即効性高いが停止で消滅)
紹介 / パートナー3080%70%40%150万円504万円★★★(CAC・ゼロだがすかーるに限界)
タクシー広告LTVベースで評価★☆☆(直接帰属難、ブランディング効果で補完)

受注金額計は「LTVベースの試算」ではなく「初年度ARRの単純集計」です。実際はLTV(継続年数×ARR)で解釈すると展示会・SEOの評価はさらに上がります。チャネルを混在させず個別に計測することで、リソース配分の判断精度が上がります。


まとめ

  1. マーケのKPIは面談数・受注金額を起点に設計する:リード数至上主義から脱却する
  2. リードスコアリングは属性×行動で設計する:展示会など属性のみの場合はティア分けで対応
  3. ROIの評価基準を先に決める:MRR/ARRベースかLTVベースかで施策の採否が変わる
  4. LTV/CAC・CAC Paybackを常にモニタリングする:効率性の劣化を早期に検知する
  5. ブランディング施策は多面評価する:ROI直接帰属が難しい施策は問い合わせ経由・指名検索で補完する
  6. チャネル別に分解する:全体平均ではなくチャネルごとに転換率とROIを見る

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KPI Growth Model の全体像と実装手順を15ページに凝縮。社内でKPI設計の方向性を議論する際の共通言語としてお使いください。

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