スタートアップの経営をしていると、日々の忙しさに追われて「まだ整ってないけど仕方ない」と後回しになってしまうものがいくつもあります。中でもよくあるのが、評価制度や採用の仕組みづくり、営業の再現性設計といった「組織を支える基盤の整備」です。
私自身、これまで複数の企業で1人目の立ち上げから数百人規模の組織成長までを経験してきましたが、シリーズA前後(社員数でいうと10〜30名程度のタイミング)は、経営の難易度が一段階上がる"変曲点"だと強く感じています。
今回は、そのタイミングで必ずやっておきたい3つの仕組み化と、よくある落とし穴についてお伝えします。
1. 評価制度は「早すぎるくらいでちょうどいい」
「まだ人数少ないし、評価制度なんて後でいいでしょ」そう思っているスタートアップ経営者は少なくありません。ですが、それが大きな落とし穴になります。
理由はシンプルで、評価制度がないと、採用も育成も崩れるからです。
たとえば、
- どんな基準で昇給するのかが曖昧
- 活躍しているつもりのメンバーが正しく評価されない
- 採用面接で「うちの評価はざっくり…」としか言えない
こうした状態が続くと、優秀な人材は定着しませんし、組織全体が不安定になります。
このフェーズでは、いきなり完璧な評価制度を目指す必要はありません。まずはKPI(行動目標)を評価にしっかり組むこむことから始めましょう。

2. 「売れる人が売れる」から「誰でも売れる」への転換を
スタートアップの初期は、創業メンバーがとにかく走って売ってくるのが基本です。ですが、シリーズAを迎える頃には、「自分たちだけが売れる」から「他のメンバーでも売れる」への転換が求められます。
これは単なる営業の話ではなく、事業の再現性を担保するフェーズに入るということです。
では何をすべきかというと、具体的には以下のようなことです:
- デモ資料、提案書、営業スクリプトのテンプレート化
- 顧客からのQ&A集の整備
- クロージングトークの型化
- ツールやトラッキングの整備(CRMやSFA)
これらを整えることで、営業未経験の人でもある程度の成果が出せるようになります。結果として、「採用対象者の幅が広がる」「育成時間が短縮される」「営業の質が均質化される」という効果が得られます。いわゆる営業の型化ですね。



