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KPI設計

KPI設定の方法と目標設定の例|部門別テンプレートと記入例で5ステップ解説

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KPIを「測るだけ」から「動かす」に変えるためのフレームワーク全体像を15ページにまとめた資料です。

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KPI設定でつまずく会社の多くは、「商談化率を上げよう」のようなそれ自体は行動を変えない目標を立てて止まってしまいます。本記事では、KGIから分解し、ボトルネックを特定 → Primary KPI(最も効く施策)→ KDI(日々の行動)まで一直線に落とす設定法を、5ステップ・部門別の記入例つきで解説します。支援50社以上で使ってきた、形骸化させない設定の型です。

KPI設定とは:まず用語を整理する

KPI設定とは、最終ゴール(KGI)を、現場が日々動かせる指標まで分解していく作業です。登場する用語を整理します。

用語役割
KGI最終ゴール年間売上 1.2億円
プロセスKPIゴールに至る活動量・転換率面談数・展開率・受注率
ボトルネックKPIプロセスの中で課題の一点(診断)展開率
Primary KPIそれを上げる、最も効く施策の指標ショールーム来店件数
KDIPrimaryを動かす日々の行動商談後の来店依頼

世間では「KGI→KSF(重要成功要因)→KPI」と説明されますが、KSF(例:商談化率の向上)はそれ自体が曖昧で、具体的な行動を変えません。そこで本記事では、KSFを「ボトルネックKPI → Primary KPI → KDI」の3層に分けて、行動まで落とせる形にします。用語の基礎はKPIとは?KGIとKPIの違いもご覧ください。

KPI設定の5ステップ

KPI設定の5ステップ
KPI設定の5ステップ

ステップ① KGIを決める――最終ゴールを1つに定めます。売上か、粗利か、貢献利益か。「いつまでに、いくら」を数値で明確にします。

ステップ② KPIに分解し、ボトルネックを特定する――売上=単価×受注件数、受注件数=面談数×展開率×展開獲得率、というようにプロセスKPIへ分解し、どの転換率が効いていないか(ボトルネック)を見極めます(まずは仮説でOK。特定法は後述)。

営業KPIツリー:売上=単価×受注件数、受注件数=面談数×展開率×展開獲得率
営業KPIツリー:売上=単価×受注件数、受注件数=面談数×展開率×展開獲得率

ステップ③ Primary KPIを決める――ボトルネックを上げる施策はいくつもあります。その中で最も効く確率が高い施策の指標を1つ選び、Primary KPIに据えます。

ステップ④ KDIに落とす――Primary KPIを上げるための、自分で100%コントロールできる日々の行動量(KDI)を決めます。

ステップ⑤ 振り返り・軌道修正をルール化する――「達成率80%未満で見直す」のように乖離アラートの閾値を決めておきます。これが形骸化を防ぎます。

ボトルネックを決めた後の3層:診断 → 施策 → 行動

ここが、競合の記事が書いていない核心です。「ボトルネックが分かった、で、何をするのか?」――ここを私は3層に分けて整理します。

ボトルネックKPI→Primary KPI→KDI
ボトルネックKPI→Primary KPI→KDI
  1. ボトルネックKPI(診断)――プロセスKPIの中で、どの転換率が最も効いていないかを特定する。例:展開率(転換率)が低い
  2. Primary KPI(施策)――そのボトルネックを上げる施策の指標。施策は複数ありえます(体験誘導を増やす/対面商談を増やす/ショールーム来店を増やす…)。その中で最も効く確率が高い一つを選ぶ。数値で把握できればベスト、無ければ仮説・ベストプラクティスで置く。例:ショールーム来店件数
  3. KDI(行動)――Primary KPIを上げる、自分で100%コントロールできる具体行動。例:商談が終わった後に、既存顧客へ来店(紹介)依頼ができたか

KGI → プロセスKPI分解 → ボトルネックKPI → Primary KPI → KDI。この鎖でつなぐと、「商談化率を上げよう」で止まらず、今日やるべき行動まで一直線に落ちます。各概念の背景はKPIを武器にする実践論営業マネジメントの実行設計で解説しています。

ボトルネックの見つけ方:ベンチマーク比較か、KPIを回して発見

ボトルネック(=真の課題)の見つけ方には、2つのモードがあります。

ベンチマークがある(型のある業務)ベンチマークがない(前例のない打ち手)
BtoB営業の標準ファネル新規事業・新しい誘導施策
見つけ方実績をベンチマークと比較し、下回る指標=ボトルネック。即特定できるKPIを計測して要因分析し、効いていない転換点を発見する
スピード速い遅い(回して見つける)

型のあるBtoB営業なら、以下の目安と自社の実績を比較すれば、ボトルネックがすぐ見つかります。

指標ベンチマーク目安
面談数(月・1人あたり)40〜50件
コネクト率(架電→コネクト)20〜30%
アポ率(コネクト→アポ)15〜30%
展開率(面談→展開)20〜30%
展開獲得率(展開→受注)20〜30%
受注率(面談→受注 トータル)5〜10%

※支援現場での目安です。業界・商材・単価帯で変わりますが、「どの指標がベンチマークを割っているか」を見る最初のものさしになります。

一方、新しい打ち手はベンチマークがありません。その場合は仮の見立てを置き、KPIを広めに計測 → 要因分析 → 本当のボトルネックを発見します。そして大事なのは、最初の見立ては、たいてい外れているということです。

  • 高級別荘サブスク:当初は「面談数(量)」を見立てたが、計測すると「体験に誘導できた人の受注率」が圧倒的に高かった。真のボトルネックは「体験誘導」で、Primary KPIは体験誘導数だった → 標準化して受注率1.5倍
  • BtoB営業(面談):「受注率が低いのでは」と思ったが、計測すると受注率は標準範囲。実は社外日に1〜2件しか面談しない日が多く、面談の絶対量が真因だった → 社内日/社外日を分け、社外日は5件以上で外出可のKDIで面談1.3倍

そのまま使える「KPI設定シート」記入例

3層を1枚に並べると、設定が一気に行動まで落ちます。表の見方は「階層(KGI/ボトルネックKPI/Primary KPI/KDI)→指標・行動→目標値→現状値」。

営業部門の記入例

階層指標・行動目標値現状値
KGI年間売上1.2億円9,000万円
ボトルネックKPI展開率(面談→展開)30%20%
Primary KPIショールーム来店件数40件/月25件
KDI商談後に既存顧客へ来店依頼全商談60%

マーケティング部門の記入例

階層指標・行動目標値現状値
KGI受注貢献額4,000万円2,800万円
ボトルネックKPIMQL→面談転換率15%11%
Primary KPI資料DLから3分以内の架電率80%40%
KDI毎朝ホットリード即応当番を1名アサイン全営業日

カスタマーサクセス部門の記入例

階層指標・行動目標値現状値
KGINRR115%104%
ボトルネックKPIオンボーディング完了率90%72%
Primary KPI初期設定・データ移行 完了率(キックオフ後5営業日以内)100%65%
KDIキックオフで①データ移行②引き継ぎデータ取得③初期設定を完了全件

部門ごとの深掘りは、インサイドセールスKPIフィールドセールスKPIマーケティングKPIカスタマーサクセスKPIをご覧ください。

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KPI Maturity Model の自社診断と Implementation Checklist(20項目)を収録。形骸化しないKPI設計の実装手順を一冊で。

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【部門別】KPI設定例一覧

代表的な6部門のKPI例です。自社のボトルネックに合わせて選んでください。

部門代表的なKPI例
営業(IS/FS)架電数 / コネクト率 / 面談数 / 商談化率 / 展開率 / 受注率 / 平均単価 / リードタイム
マーケティングセッション数 / CVR / MQL数 / SQL数 / CPA / 面談転換率 / ROI
カスタマーサクセスオンボ完了率 / ヘルススコア / チャーンレート / NRR / アップセル率 / 一次回答時間
人事・採用応募数 / 書類通過率 / 面接設定率 / 内定承諾率 / 採用充足率 / 早期離職率
製造・開発デプロイ頻度 / 変更リードタイム / バグエスケープ率 / 稼働率 / 不良率 / MAU・DAU
バックオフィス(財務)売上成長率 / 営業利益率 / 営業キャッシュフロー / 労働分配率 / ランウェイ / 売掛金回収日数

KPI設定でよくある失敗と、形骸化を防ぐ方法

KPIが形骸化するアンチパターン
KPIが形骸化するアンチパターン

設定したKPIが形骸化する「悪いKPI」は、大きく2つの姿で現れます。

失敗①:追いかけても成果につながらない――そのアクションをしたときとしないときで、成果がどれだけ変わるのかを計測できていない。KGIに本当に効くか検証されていないKPIを、なんとなく追っている。設定時に「この指標を動かすとKGIが動く」因果を必ず確かめましょう。

失敗②:「号令」だけで仕組みが変わっていない――「KPIを上げよう」の掛け声だけで終わり、仕組みを変えていない。「面談件数を上げよう」となったときに「見える化しよう」「頑張ろう」と言うだけでは改善しません。必要なのは仕組みを変えること。例えば「社内日と社外日を分ける」「社外日は5件以上面談がある日のみ外出できる」というルール(KDI)を作る。こうした仕組み化で面談件数が1.3倍になった例があります。

さらに「時間軸の管理不足(設定して満足)」「要因分析の欠如(なぜ落ちたかを突き止めない)」が加わると、KPIは100%形骸化します。詳しい防ぎ方は営業KPIが形骸化する根本原因で解説しています。

KPIを動かし続ける運用(設定後のモニタリング)

KPIを動かし続ける運用サイクル
KPIを動かし続ける運用サイクル

KPIは設定して終わりではなく、「見られ続け、会話に使われる」状態にして初めて生きます。設定シートには必ず測定頻度・データ取得元・乖離アラート閾値・振り返りメモの列を設けましょう。これが形骸化しない運用を物理的に強制します。ダッシュボードへの落とし込み方はKPIダッシュボードで失敗する会社の共通点をご覧ください。

まとめ

  • KPI設定は、KGI→プロセスKPI分解→ボトルネックKPI→Primary KPI→KDIの鎖で、行動まで落とす
  • 「商談化率の向上」のような曖昧な目標(KSF)で止めない。診断・施策・行動の3層に分ける
  • ボトルネックは「ベンチマーク比較」か「KPIを回して発見」で見つける。最初の見立ては外れがち
  • 設定シートにはボトルネック/Primary/KDIの行と、乖離アラート閾値・振り返りメモを入れる

KPI設定を体系的に学びたい方はKPIとは?KPI設計完全ガイドを、ツリーの描き方はKPIツリーの作り方をあわせてご覧ください。Exgrowthでは、KPIの設定から運用定着までを伴走しています。

よくある質問(FAQ)

Q. KPIはいくつ設定するのが適正ですか?

部門・チームごとに3〜5個が目安です。多すぎると「全部が課題」に見えて焦点が定まりません。まずは「今いちばん見るべき一指標(Primary KPI)」を決めるのがコツです。

Q. ボトルネックKPIとPrimary KPIは何が違うのですか?

ボトルネックKPIは「どこが課題か」を特定する診断指標(例:展開率が低い)。Primary KPIは「それを上げるために何をするか」の施策の指標(例:ショールーム来店件数)です。診断と打ち手を分けるのがポイントです。

Q. KPIの目標値はどう決めればいいですか?

KGIから逆算し、ベンチマークや現状値(ベースライン)と照らして決めます。無理のない伸びしろを置き、ボトルネックの指標から優先的に引き上げます。

Q. KDIとは何ですか?

Key Do Indicatorの略で、Primary KPIを上げるための「自分で100%コントロールできる行動量」です。結果指標と違い、本人の意思でやりきれるのが特徴です。

Q. KPIの見直し頻度は?

進捗は週次・月次で追い、設定自体の見直しは四半期ごとが目安です。市場や戦略が動いたときはその都度見直します。


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