サマリー
- CEB(現Gartner)が6,000人超の営業担当者を対象に行った研究は、営業スタイルを5つのプロファイルに分類し、複雑な商談における成果の差を検証した。
- 結果、複雑な商談で最も成果を上げていたのは「関係構築型(Relationship Builder)」ではなく、顧客に新しい視点を提示し議論をリードする「チャレンジャー型」であった。
- むしろ関係構築型は、複雑な商談においては最も成果の低いグループに位置づけられた。
研究の概要:5つの営業プロファイル
本研究のもとになったのは、CEB(現Gartner)が6,000人を超える営業担当者を対象に実施した調査である。もともとは顧客ロイヤルティに関する研究として始まり、ロイヤルティの53%が製品や価格ではなく「営業体験の質」によって決まるという発見から、どのような営業行動が優れた体験を生むのかを分析する方向に発展した。
管理職による評価データをもとに、営業担当者は次の5つのプロファイルに分類された。
- ハードワーカー型:人一倍働き、粘り強くフォローする
- 関係構築型:顧客に好かれることを重視し、関係性を大切にする
- 孤独な狼型:自分のやり方を貫き、指示や管理を嫌う
- 反応型問題解決者:顧客からの質問や依頼に丁寧に対応する
- チャレンジャー型:顧客のビジネスについて深く理解し、新しい視点を提示し、時に健全な緊張感を持って議論をリードする
発見:単純な商談と複雑な商談で「勝ち筋」が違う
分析の結果、単純で取引的な商談においては、5つのプロファイル間の成果の差はほとんど見られなかった。しかし商談が複雑になるほど、プロファイル間の差は大きく開いた。複雑な商談における高業績者のうち、約4割がチャレンジャー型に分類される一方、関係構築型は複雑な商談においては最も成果の低いグループに位置づけられた。
これは、多くの営業組織が採用時や育成時に暗黙のうちに求めがちな「感じの良さ」「顧客に好かれる力」が、少なくとも複雑な商談においては、成果に直結する要因ではないことを示している。
だから、営業組織は何をすべきか
- 「好かれる営業」を無条件に評価しない
- 「教える力」を育成メニューに組み込む
- 商談の複雑さに応じて求める人材像を変える
