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営業KPI2026-08-05

「感じのいい営業」が、実は一番成果を出せていない|チャレンジャー・セールスの研究

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サマリー

  • CEB(現Gartner)が6,000人超の営業担当者を対象に行った研究は、営業スタイルを5つのプロファイルに分類し、複雑な商談における成果の差を検証した。
  • 結果、複雑な商談で最も成果を上げていたのは「関係構築型(Relationship Builder)」ではなく、顧客に新しい視点を提示し議論をリードする「チャレンジャー型」であった。
  • むしろ関係構築型は、複雑な商談においては最も成果の低いグループに位置づけられた。
5つの営業プロファイルと成果の差
5つの営業プロファイルと成果の差

研究の概要:5つの営業プロファイル

本研究のもとになったのは、CEB(現Gartner)が6,000人を超える営業担当者を対象に実施した調査である。もともとは顧客ロイヤルティに関する研究として始まり、ロイヤルティの53%が製品や価格ではなく「営業体験の質」によって決まるという発見から、どのような営業行動が優れた体験を生むのかを分析する方向に発展した。

管理職による評価データをもとに、営業担当者は次の5つのプロファイルに分類された。

  • ハードワーカー型:人一倍働き、粘り強くフォローする
  • 関係構築型:顧客に好かれることを重視し、関係性を大切にする
  • 孤独な狼型:自分のやり方を貫き、指示や管理を嫌う
  • 反応型問題解決者:顧客からの質問や依頼に丁寧に対応する
  • チャレンジャー型:顧客のビジネスについて深く理解し、新しい視点を提示し、時に健全な緊張感を持って議論をリードする

発見:単純な商談と複雑な商談で「勝ち筋」が違う

分析の結果、単純で取引的な商談においては、5つのプロファイル間の成果の差はほとんど見られなかった。しかし商談が複雑になるほど、プロファイル間の差は大きく開いた。複雑な商談における高業績者のうち、約4割がチャレンジャー型に分類される一方、関係構築型は複雑な商談においては最も成果の低いグループに位置づけられた。

これは、多くの営業組織が採用時や育成時に暗黙のうちに求めがちな「感じの良さ」「顧客に好かれる力」が、少なくとも複雑な商談においては、成果に直結する要因ではないことを示している。

だから、営業組織は何をすべきか

  1. 「好かれる営業」を無条件に評価しない
  2. 「教える力」を育成メニューに組み込む
  3. 商談の複雑さに応じて求める人材像を変える
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岩田の視点

「顧客に新しい視点を提示する」と聞くと、センスの問題に聞こえる。だが実際に使う材料は2つに絞れる。

  1. その業界の最新ニュース
  2. 自社製品を他社が使ってどんな効果が出たか(事例)
新しい視点は「仕入れ」の問題
新しい視点は「仕入れ」の問題

どちらもセンスではなく情報の仕入れである。つまりレベルを上げるのは人のセンスではなく、接する情報の幅だ。業界の動きを押さえているか、他社事例を持っているかで、同じ担当者でも提示できる視点の量は変わる。

だからここは型を作るというよりも、材料を切らさない仕入れを商談外で回す仕組みの問題になる。業界ニュースを定期的に押さえるルーチンと、事例を案件終了ごとに都度ストックするルーチン。この2つが回っていない限り、商談の場で新しい視点を即席で出すことはできない。

商談外のルーチンが、商談での視点提示に変わる
商談外のルーチンが、商談での視点提示に変わる

まとめ

「顧客に好かれる営業」が最も成果を出すという直感は、少なくとも複雑なB2B商談においては裏付けられていない。顧客の思考に新しい視点を持ち込み、時に健全な緊張感を伴う対話をリードできる力の方が、成果との結びつきが強い。この発見は、信頼構築の研究(Doney & Cannon, 1997)とあわせて読むと理解が深まる。信頼は次回以降の取引継続を支える土台である一方、今回の複雑な商談を勝ち切る力は、また別の資質から生まれている。

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出典

原典

  • Dixon, M., & Adamson, B. (2011). The Challenger Sale: Taking Control of the Customer Conversation. Portfolio/Penguin.(CEB(現Gartner)による6,000人超の営業担当者対象調査に基づく)

※本書は査読学術誌に掲載された論文ではなく、企業調査機関による大規模実証研究をまとめた書籍です。


本記事の執筆・監修:50社以上の成長支援を手がけるKPIコンサル・岩田圭弘(Exgrowth株式会社 代表)

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