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営業KPI2026-08-05

ノルマ達成率、業界全体でじわじわ下がり続けている|53%→43%が意味すること

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サマリー

  • 業界調査によれば、営業担当者のノルマ(クォータ)達成率は2017年の53%から、直近の調査では43%前後まで低下している。
  • 2026年の調査では、営業チームの87%が目標達成に苦戦していると回答している。
  • この傾向は、別稿で扱った受注率の低下トレンド(2024年29%→2025年19%)と同じ方向を向いており、個人の営業力だけでは説明しきれない構造的な変化を示唆している。
ノルマ達成率の低下トレンド
ノルマ達成率の低下トレンド

データ:ノルマ達成率は長期的に低下傾向

営業パフォーマンス分野の調査機関CSO Insightsをはじめとする複数の業界調査は、営業担当者のノルマ達成率が長期的に低下していることを一貫して示している。2017年時点の平均ノルマ達成率は53%であったのに対し、その後の複数年にわたる調査では45〜50%の範囲で推移し、2026年の調査では43%前後まで低下しているとの報告もある。

さらに直近の調査では、営業チームの87%が目標達成に苦戦していると回答しており、その半数以上が外部の経済環境の変化を主な要因として挙げている。一方で、達成率上位の組織と平均的な組織との差は縮まっておらず、上位25%の組織は70%以上の達成率を維持しているという報告もある。つまり、全体としては下降トレンドにありながら、組織間の格差はむしろ拡大している。

受注率低下との関係

この傾向は、別稿「受注率は、なぜ業界全体で下がり続けているのか」で扱った、受注率が2024年の29%から2025年には19%まで低下したというデータと軌を一にしている。購買側の意思決定に関わる人数の拡大、商談チャネルの多様化といった構造変化が、受注率とノルマ達成率の双方を同時に押し下げている可能性が高い。

これは、ノルマ未達を営業担当者個人の努力不足として片付けるべきではないことを示している。業界全体で同じ方向の低下が観測されている以上、個人の問題というより、購買行動の構造変化に営業組織側の運用が追いついていないという見方の方が実態に近い。

だから、営業組織は何をすべきか

  1. 自社のノルマ達成率を、業界の低下トレンドと比較する
  2. クォータ設計そのものを見直す
  3. 達成率上位組織との差を「個人の頑張り」以外の要因で分析する
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岩田の視点

未達の組織に入ったとき、いきなり現場の実行力を疑うのは順番が違う。未達といっても、目標を過度に高く設定しているだけのケースは結構ある。だから最初に見るのは、現場ではなく目標のほうだ。

まず、目標の妥当性を見る

判定に使うのは達成率ではなく、前年から伸びているかどうかだ。

  • 前年から伸びていない → これはやはり問題。実行の側を見に行く必要がある
  • 前年からはきっちり伸びている。それでも未達 → 目標設定が高すぎる

この2つは、同じ「未達」という結果に見えて、打つべき手がまったく違う。前者は営業の組み立てを直す話、後者は目標の置き方を直す話だ。切り分けずに「未達だから頑張れ」とやると、伸びている組織の士気を削ぐだけで終わる。

未達を切り分ける:前年比で判定する
未達を切り分ける:前年比で判定する

次に、前年から伸ばせるかどうかを計算で確かめる

伸びの余地は、感覚ではなくある程度計算で分かる。商談数の話であれば、見るファクターは営業人員の数とリードの数だ。投入している量が増えていれば、成果もそれに応じて増えているはずで、増えていなければ、増えない構造があるということになる。

たとえば営業の頭数が1.2倍になっているのに、アポの数が増えていない。これは個人の頑張りの問題ではなく、アポを獲得する構造そのものが間違っているというサインだ。人を増やしても成果が比例しないのなら、増員を続けても解決しない。

投入量が増えても成果が比例しないサイン
投入量が増えても成果が比例しないサイン

診断の順序を固定する

  1. 前年から伸びているか(目標の妥当性を切り分ける)
  2. 投入量(人員・リード)は増えているか
  3. 投入量が増えているのに成果が増えていないなら、その工程の構造を疑う

この順で見れば、「未達=現場の実行不足」という短絡を避けられる。業界全体で達成率が下がっているという数字は、この診断を飛ばして精神論に流れないための歯止めとして使うのが正しい。

まとめ

ノルマ達成率の低下は、個々の営業担当者の努力不足ではなく、業界全体で進行している構造的なトレンドである。受注率の低下とあわせて見れば、営業組織が直面しているのは個人の能力の問題ではなく、購買行動の変化に組織運用が追いついていないという構造問題である。

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出典

業界調査レポート

  • CSO Insights, Sales Performance Optimization Study(複数年)
  • Xactly, 2026年調査
  • RepVue, 2026年調査

※本稿は学術論文ではなく、業界調査データに基づいています。


本記事の執筆・監修:50社以上の成長支援を手がけるKPIコンサル・岩田圭弘(Exgrowth株式会社 代表)

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