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営業KPI2026-08-05

「営業時間の使い方」を科学する|マネージャーの時間配分はチームの経験値で変わる

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サマリー

  • 査読学術誌に掲載された研究によれば、営業マネージャーの時間配分(マネジメント業務か、顧客対応か)は、率いるチームの経験値によって最適な配分が異なることが示されている。
  • 業界調査では、高業績組織ほど営業時間に占める「実際の販売活動」の割合が高いという一貫した傾向が報告されている。
  • これらを踏まえると、時間配分は感覚ではなく、チームの状態に応じて設計すべき経営変数として扱うべきである。
営業時間の使い方と業績の関係
営業時間の使い方と業績の関係

学術研究:時間配分の効果はチームの経験値で変わる

Rapp, A., Petersen, J. A., Hughes, D. E., & Ogilvie, J. (2020). "When Time is Sales: The Impact of Sales Manager Time Allocation Decisions on Sales Team Performance." Journal of Personal Selling & Sales Management, 40(2), 132-148.

本研究は、営業マネージャーが「人材マネジメント」と「顧客対応(販売活動)」にどう時間を配分するかが、チーム全体の成果にどう影響するかを検証した査読論文である。結果として、経験豊富なチームを率いる場合は人材マネジメントに時間を割いた方が成果が上がりやすく、逆に経験の浅いチームを率いる場合は顧客対応(同行・実演)に時間を割いた方が成果が上がりやすいという、条件付きの関係が示されている。

なお本研究の対象は営業マネージャーであり、現場担当者個人の商談時間比率そのものを扱ったものではない。この点は区別した上で参照する必要がある。

データ:高業績組織ほど「販売している時間」が長い

コンサルティングファームや業界調査の複数のデータが、時間配分と業績の相関を裏付けている。McKinseyの自動化に関する調査では、成果を出している営業担当者は同僚より20〜25%多く顧客と接する時間を確保しているという結果が示されている。また業界調査では、営業担当者が実際の販売活動に使っている時間は週の30%程度にとどまり、クォータ達成率90%超の高業績組織では営業時間の34%を実際の販売に使っている一方、低業績組織では23%にとどまるという差も報告されている。

だから、営業組織は何をすべきか

  1. まず「実際の販売時間比率」を測定する
  2. マネージャーの時間配分をチームの経験値に応じて変える
  3. 非販売業務の削減を優先レバーとして扱う
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岩田の視点

基本方針としては、マネージャーは現場に出た方がいい。売れる人がマネージャーになっている以上、その人が売り続けた方がチームの成果は上がる。キーエンスでも、ほとんどはプレイングマネージャーで、約30人に1人の割合でプレイしない純粋のエリアマネージャーがいるという構造だ。

キーエンス流:約30人に1人が純粋管理職
キーエンス流:約30人に1人が純粋管理職

ただしチームが大きくなると、横の情報共有が自然に減っていく。ここを担うのが純粋のマネージャーの役割だ。全体向けの勉強会を開く、同行中に見つけた良い営業事例(PR)をチーム全体に共有する。イメージとしては、メンバーが10〜20人を超えるタイミングで、純粋の管理職が1人いるかいないかくらいがちょうどいい。

逆に、経験豊富なメンバーが集まるチームだと、それぞれが個別に好きなように動いてしまう。この場合は、現場に出るよりもガバナンスを効かせる管理職が必要になる。

つまり判断の軸は二つある。一つは「プレイングマネージャーと純粋の管理職の比率」。もう一つは「管理職が何をするか」で、経験の浅いチームでは情報共有の仕組みづくり、経験豊富なチームではガバナンスと、同じ「管理職」でも仕事の中身が逆になる。

判断軸は2つ
判断軸は2つ

まとめ

同じ八時間労働でも、何にその時間を使っているかで成果は大きく変わる。学術研究はその配分の「最適解」がチームの経験値によって変わることを示しており、業界データは「販売時間の絶対量」自体が業績の分岐点になることを示している。両者を踏まえれば、時間配分は属人的な判断ではなく、組織として設計すべき変数として扱うべきである。

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出典

学術文献

  • Rapp, A., Petersen, J. A., Hughes, D. E., & Ogilvie, J. (2020). "When Time is Sales: The Impact of Sales Manager Time Allocation Decisions on Sales Team Performance." Journal of Personal Selling & Sales Management, 40(2), 132-148.

コンサルティングファームレポート

  • McKinsey & Company, 自動化と営業生産性に関する調査

業界調査レポート

  • Salesforce, State of Sales
  • Forrester, 営業生産性に関する調査

※学術研究の対象は営業マネージャーの時間配分であり、現場担当者個人の販売時間比率とは異なるテーマです。両者を区別した上で参考としてご活用ください。


本記事の執筆・監修:50社以上の成長支援を手がけるKPIコンサル・岩田圭弘(Exgrowth株式会社 代表)

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